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【インタビュー】豊田市初の水稲ソーラーシェアリング

更新日:2020年1月28日


田植えの様子 提供:太啓建設株式会社

水稲「大地の風」田植え。担当者にインタビューしました。

昨年末の12月17日に完工を迎えた『太啓建設㈱浄水SS発電所』。当サイトでも以前導入事例としてご紹介いたしました。>こちら


本発電所は、太啓建設株式会社(代表取締役:大矢伸明、本社:愛知県豊田市)が2017年7月頃より計画をしていたソーラーシェアリングであり、豊田市内では初の事例になります。

去る6月3日、同農地では水稲「大地の風」の田植えが行なわれました。 今回は、田植えの際のお写真と共に、担当者の方に伺ったお話をご紹介していきます。


ソーラーシェアリングを初めて知った時、また実際に導入することが決まった際、どのように思いましたか。

農地は日当たりが良く平坦な場合が多いため、太陽光発電施設用地には適地だと思いました。やってみなければ分からないことですが、遮光が与える影響については不安がありました。


完工に至るまでの間、苦労された点を教えてください

認知度が低く、経験者や情報量が乏しかったです。近隣に先行事例がないため、実物を見てイメージすることができませんでした。 許認可上でも先行事例がなかったため、行政側への説明や理解を得るまでに時間を要しました。

ソーラーシェアリング設備(以下設備)設置以前より農業に取り組まれていらっしゃいますが、設備の設置前後で、農作業はどのように変化しましたか。

試行段階なのでまだわかりませんが、支柱があることで機械の導線が制約され、動き難さはあるようです。しかし、慣れや経験である程度は解消できると思います。

耕起の様子  提供:太啓建設株式会社

代かきの様子 提供:太啓建設株式会社

設備設置後、周囲の方々(地域の方など)の反応はどのようでしたか。

珍しい取り組みであるため、「何を始めるの?」と聞かれる機会が多くなりました。


ソーラーシェアリングや再生可能エネルギー、農業に対する想いについて、教えてください。

総論的にソーラーシェアリングは、取り組みとしては良いと思います。 ソーラーシェアリングの本質は、農家の現金収入の増加や担い手確保に向けたきっかけ造りなど、農業従事者への支援活動だと思います。しかし、表面的な農家の現金収入は増加するとは言うものの、高額な初期投資を伴う事業であり、FIT価格の下落や制度自体の廃止など、事業採算性に大きな課題を抱えていることも事実です。

支援活動の成立には、ある程度の事業採算性の確保が最低条件だと思います。事業期間を30年位の長いスパンで考えることや、機器の価格が下落する、といった考え方もあると思いますが、ソーラーシェアリング用のパネルや架台などは野立て用の機器に比べてコストダウンが難しいのが現状です。農家ができる内容でなければ普及は難しいし、規模の小さい農家単位ではスケールメリットがないためにコストダウンが難しくなるという悪循環が存在します。

普及率アップのためには、水田でのソーラーシェアリングは有望だと思いますが、前述の課題解決や、蓄電を含めた自家消費の仕組みづくりが必要だと思います。


インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。

同農地では、7月中旬に「中干し」、8月中旬は除草・防虫剤散布、9月中旬は引き続き除草と「落水」を行ない、10月初旬に稲刈りをする予定です。

田植えの様子 提供:太啓建設株式会社

水稲「大地の風」 提供:太啓建設株式会社


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