農業後継者の不足、農業従事者の高齢化により、遊休地・耕作放棄地が増加している状況の中で、農地を農地として次世代に引き継いでいけるような農業振興施策に繋げていきたい。
施設園芸への活用、蓄電による夜間の電力使用等、再生可能エネルギーの活用範囲を広げ、温暖化防止が図られることを期待したい。
設置したきっかけ
白井市内で再生可能エネルギーの普及促進、調査研究等を目的に活動している白井再生可能エネルギー協議会から、白井市内でモデル農場を設置し、発電量、営農への影響等のデータ収集を行い、白井市内におけるソーラーシェアリング普及の可能性について、調査研究を行いたいとの相談を受けたこと。
千葉県内で初めて設置されたソーラーシェアリング上総鶴舞の視察で作物への影響がないこと等を確認した結果、農業収入に加え売電収入による営農の継続、耕作放棄地を減らすきっかけの1つとして、今後の白井市の農業振興につながれば良いと思った。
設置してよかったこと苦労したこと
良かったこと
作業時に、部分的な日陰ができるため、夏の暑い時期には農作業の負担軽減になった。
作付している農作物(夏野菜)の生育には全く影響がなかった。(冬野菜は今後検証する。)
苦労したこと
農地転用手続の煩雑さ。
資金調達については、農地の一時転用許可が3年ごとに更新であることから、融資許可を得ることが難しい。
一部既存のビニールハウス上部に設置すること、設置場所に堆肥置き場、盆栽用苗木等を露地栽培していたこと、道路から工事場所までの距離が長く狭かったことから、整地等の事前準備、資機材の搬入に苦労した。
設備概要
発電所名 ソーラーシェアリングしろい富塚
所在地 千葉県白井市富塚729番地
所有者 川上 利一
発電出力 50.4(kWp(DC))
発電量 50,000(kWh/年)(初年度実績)
電気の使途 東京電力への全量売電
パネル ULICASOLAR社製100W×504枚
インバーター 田淵電機社製 9.9kW×5台
架台 単管パイプ(ドブめっき加工処理)を自在クランプ・直交クランプ
支柱の間隔 5m(一部6.15m)
高さ 3.3mにて組み立て
モニタリングシステム NTTスマイルエナジー社製『エコめがね』
遮光率 33.0%
基礎 スクリュー杭を地中1.5m打込み
地目 畑
耕作物 なす、とうもろこし、きゅうり、ピーマン、ししとう、おくら、ね
ぎ、かぼちゃ、つるなしいんげん、トマト、ささげ、とうがらし
※冬以降作付予定 白菜、ブロッコリー、ほうれん草、小松菜、大
根、玉ねぎ
設置面積 1,019㎡
設置費用 約1,900万円 (東京電力工事負担金、火災保険費用を除く)
発電開始日 2015年6月
トラブル、メンテナンス トラブル:設備面は特になし。雨だれ、雨水がパネル設置場所に集中
するため、畑に穴が開くことがある。
メンテナンス:監視システム「エコメガネ」を設置し、施工業者・白
井再生可能エネルギー協議会・設置者の3者で確認できる状態にして
おり、異常があった場合には速やかに対応できるようにしている。
特徴 設置に関する特徴としては、企画:白井再生可能エネルギー協議会、
設置工事:白井市内業者(有限会社藤田商事)、ソーラーシェアリン
グ技術指導:特定非営利活動法人世界環境改善連合・一般社団法人日
本ソーラーシェアリング協会が担当した。
企画段階以前から、白井再生可能エネルギー協議会と白井市において
意見交換を行い、設置後の発電状況、営農への影響調査、ソーラーシ ェアリング普及の可能性等の調査研究事業について、今後3年間にわ
たり白井再生可能エネルギー協議会と白井市の協働事業として、「ソ
ーラーシェアリング調査研究プロジェクト」を実施することとなった
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