シリーズ「フカボリ”太陽光発電”」 第1節 太陽光発電のしくみを知る 第5回 パワーコンディショナの役割
第5回目のテーマは、「パワーコンディショナの役割」についてです。 前回は、たくさんある太陽電池の種類について説明しました。今回は、パワーコンディショナの役割について紹介します。
パワーコンディショナは、基本的に「DC/DCコンバータ(昇圧コンバータ)」、「インバータ」、「監視・制御回路」で構成されています。それぞれの役割について細かく説明していきます。
DC/DCコンバータ
DC/DCコンバータは、太陽光パネルから気象条件等によりランダムに入力される電気を、安定かつ最大量で取り出せるように調整する機能があります。発電量自体を大きくわけではなく、「最大電力点追従機能(MPPT)」により、出力電力が常に最大になるよう自動制御されます。
赤丸が最大出力点、長方形の面積が最大出力となる
インバータ
コンバータにより調整された電力を、直流から交流に変換する機能があります。100%変換できるわけではなく、変換効率は一般的に95%前後なので、多少のロスは発生します。 また、パワーコンディショナの設置場所の環境などによっても変換効率は影響を受けます。一般的に、風通しの良い場所、湿気が少ない場所などへの設置が求められているため、熱がこもりやすい環境は特に注意が必要です。
直流の波形から交流の波形へ変換
監視・制御回路
パワーコンディショナに何らかの異常が発生した時に、インバータを停止させたり、発電設備を系統から切り離したりしてトラブルから保護する機能があります。具体的には、周波数の上昇・低下を検出する機能、過電圧・不足電圧を検出する機能、系統電力の停電を検出して発電設備を系統から切り離す機能などがあります。 またパワーコンディショナが停止した場合、発電設備の規模が低圧(50.0kW未満)であれば、パワーコンディショナの機能により自動復旧することができます。しかし高圧・特別高圧(50.0kW以上)の場合は、所定の資格を持った人が手作業で復旧作業を行うよう定められています。
今回は、太陽電池の種類について簡単に紹介をしました。 次回からは第2節「太陽光発電の過去を知る」と題し、日本における太陽光発電の歴史について紹介していきます。 また、本サイトで取り扱ってほしい記事などがありましたら、お問い合わせにてお気軽にご連絡ください。
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