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光だけで発電するしくみ ‐ シリーズ「フカボリ”太陽光発電”」

シリーズ「フカボリ”太陽光発電”」 第1節 太陽光発電のしくみを知る 第3回 光だけで発電するしくみ

第3回目のテーマは、「光だけで発電するしくみ」についてです。 前回は、太陽光発電所で発電した電気が、系統連系と自家消費という2種類の経路をたどって利用されることを説明しました。 今回は、太陽光発電設備に立ち返り、太陽電池が光だけでどのように発電しているのかついて紹介してきます。


半導体

太陽電池は、半導体と呼ばれる、光エネルギーを直接的に電力に変換できる物質が使われています。半導体とは、条件によって電気を通したり通さなかったりする性質があります。そのため、導体と呼ばれる金属などの電気を通しやすい物質と、絶縁体と呼ばれるガラスやゴムなど電気の通しにくい物質の中間の物質に当たります。 半導体は、その性質を利用して電子回路に用いられているため、一般的に「半導体」と言うと、そちらを思い浮かべる方が多いかもしれません。


pn結合

太陽電池の半導体に用いられる物質は、シリコン(Si)が大半です。シリコンに不純物を付加することで、プラスの電気(※)を帯びる性質があるp型半導体と、マイナスの電気(※)を帯びる性質があるn型半導体を作り、その2種類を接合させたものが太陽電池セルになります。 さらにその接合面では、p型半導体とn型半導体が持っているプラスの電気とマイナスの電気が打ち消しあい、「空乏層」と呼ばれる絶縁部分が生じて、安定した状態になります。


光起電力効果

光エネルギーによる刺激が空乏層に加わることで、接合部からプラスの電気とマイナスの電気が叩き出されます。その結果、マイナスの電気をn型半導体から外に押し出す力(電力)が発生し、電気が流れます(電流)。押し出されたマイナスの電気は電気回路を通じてp型半導体側へ戻り、同じように押し出されたプラスの電気と結合します。 この現象は、太陽電池に光が当たっている限り持続するため、その間は電気を作り続けることになります。

今回は、光だけで発電するしくみについて簡単に紹介をしました。 次回のテーマは「太陽電池の種類」を予定しています。 また、本サイトで取り扱ってほしい記事などがありましたら、お問い合わせにてお気軽にご連絡ください。

※:本記事では発電のしくみを分かりやすく説明するために「プラスの電気」と「マイナスの電気」という表現を用いていますが、専門的な表現では、プラスの電気のことを「正孔」や「ホール」、マイナスの電気のことを「伝導電子」と言います。正孔・ホールとは、電子が足りない場所のことを差し、伝導電子とは、自由電子のことを差します。


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