太陽光発電業界には、大きな目標としてグリッドパリティというものがあります。 グリッドパリティ(Grid parity)とは、太陽光発電など再生可能エネルギーの発電コストが既存の火力、水力、原子力発電などとより安くなることです。
固定価格買取制度はもちろん、従来から太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入には補助金や助成金が多く適用されてきました。それは、発電コストが火力発電等の主流電源に対して割高であったため、経済的に採算性を確保しづらいことが背景にあります。しかし、再生可能エネルギーの普及は持続可能な社会作りや環境問題への対策として社会的な意義はあり、採算性を度外視しても普及を進めるために経済的な助成が行われてきました。
固定価格買取制度は、その最終段階に位置づけられます。元々、設備そのもの費用に対して補助を行うことで技術や産業ラインの確立を目指して来ましたが、固定価格買取制度では設備に補助を設けず、発電した電気、つまり発電事業に対して補助を設けています。既に設備に関する社会的な補助による投資は終わりを迎え、次は事業の中で民間が主導して太陽光発電産業を発展させるフェーズに突入しています。
そして、その目指す先としてグリッドパリティがあります。グリッドパリティを達成して、初めて火力発電など現在主流のエネルギーに代替するエネルギーと言えるでしょう。エネルギーそのものが持続可能であっても、経済的に自立しない電源は本当の意味で持続可能な電源とは言い難いです。
NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が詳細な定義を行っています。最終的には、2030年で現在の水力発電のような安定的で安価なエネルギーとする目標です。
固定価格買取制度の買取単価の推移やコスト、社会情勢などわかりやすい部分ばかりが報道の中で目立っていますが、本当に目指すべきはあくまでベース電源と呼ばれる程安価で安定的な電源として太陽光発電産業を育てていくことです。
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