シリーズ「フカボリ”太陽光発電”」
第2節 太陽光発電の過去を知る 第6回 黎明期:第一次石油危機まで
今回からは「第2節 太陽光発電の過去を知る」として、太陽光発電の歴史について紹介していきます。 第6回目のテーマは、「黎明期:第一次石油危機まで」です。太陽光発電が発明されてから第一次石油危機が起こるまでの流れを説明します。
太陽光発電の発明と実用化
1954年にアメリカのベル電話研究所で、トランジスタの研究過程によりシリコン型の太陽電池が偶然発明されました。当時は「Bell Solar Battery」と呼ばれていました。しかし、当時の太陽電池は家庭で利用できるような安価なものではなく、非常に高価だったため、最初に実用化がされたのは人工衛星でした。 初めて太陽電池が使われた人工衛星は、1958年にアメリカ海軍が開発したヴァンガード1号という機体です。人工衛星の歴史の中でもかなり初期の機体ですが、現在も地球の軌道上にあることでも有名です。宇宙空間では燃料の供給ができないため、太陽電池は電力の供給手段として最適と考えられ、実際に、打ち上げから6年もの間、人工衛星の機能を維持するための電力を発電し続けました。
現在も多くの人工衛星には動力として太陽電池が用いられている
第一次石油危機
1973年に勃発した第四次中東戦争により、中東の産油国による一部地域への石油の禁輸措置や原油価格の引き上げなどが起こりました。日本では、この第一次石油危機によって、戦後の高度経済成長に終わりを告げたと同時に、枯渇性エネルギーである化石燃料に依存した社会を見直す議論が起こりました。 そこで石油の代替エネルギーとして、当時はまだ高価だった太陽光発電を含む再生可能エネルギーの研究開発を進めるため、1974年に「サンシャイン計画」が開始しました。そのため第一次石油危機は、エネルギー供給を石油資源に依存していた日本のエネルギー政策の大きな転換点となりました。
今回は、第一次石油危機までの太陽光発電の明瞭期について簡単に紹介をしました。
次回は「サンシャイン計画、ニューサンシャイン計画」を予定しています。
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